算命学では「芸術家の星」といわれるものが存在します。一般的には伝達本能の「調舒星」と学習本能の「龍高星」、五行だと「丁」あたりが挙げられますが、それは画家にも当てはまるのでしょうか?
画家というのは一体どんな命式を持っているのか?何か特徴はあるのか?
世界に名だたる画家 53人をピックアップし、その命式を検証してみました。自分が好きな画家中心なので、ジャンルは抽象画家寄りです。
画家たちの圧倒的共通点とは一体??
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命式の見方
算命学では「陰占」と「陽占」という2つの表を用いて、人生や運命の流れを読み解きます。
左の表が陰占=その人の宿命を表す / 右の表が陽占=人体図ともいう
「陰占」は内面的な本質・生まれ持った要素・物事の時期などを、「陽占」は日常生活で発揮される性格や能力を表します。
今回のランキングでは、
その人の基本要素である陰占の「日干」と、
性格や能力をあらわす陽占の「十大主星」を使います。
画家の命式ランキング
「日干」部門
1位:己
2位:丁
3位:戊、乙
「中央の星」部門
1位:玉堂
2位:調舒、禄存、貫索
3位:龍高
「十大主星」部門 ~所有人数~
1位:玉堂、禄存
2位:石門
3位:調舒
「十大主星」部門 ~星の総数~
1位:玉堂、貫索
2位:石門
3位:禄存、車騎
「日干」部門
-
己=10人
ダヴィンチ / ゴーギャン / ミュシャ / クリムト / ルドン / ヨゼフ・アルバース / マネ / ミレー / ミケランジェロ / 高島野十郎 -
丁=8人
モネ / ミロ / ラッセン / ドガ / ボッティチェッリ / 岡本太郎 / 山下清 / ロベール・ドローネー -
戊=7人
ウォーホル / ニューマン / フランツ・クライン / イヴ・クライン / レンブラント / モーリス・ルイス / オーギュスト・エルバン乙=7人
ダリ / ムンク / クレー / ゴヤ / ロバート・マザーウェル / ドラクロワ / オノサトトシノブ -
丙=6人
ゴッホ / ロスコ / マティス / ヤン・ファン・エイク / 草間彌生 / テオ・ファン・ドゥールスブルフ -
癸=5人
モンドリアン / カンディンスキー / ポロック / シャガール / フェルメール -
辛=3人
奈良美智 / アドルフ・ゴットリーブ / ルソー庚=3人
村上隆 / ルノワール / ゲルハルト・リヒター -
壬=2人
ピカソ / セザンヌ甲=2人
バスキア / フランク・ステラ
日干の1位は「土」の属性である「己」でした。
同じく土の属性の「戊」も3位にランクイン。今回集計した画家の中でもっとも数が多い五行は土でした。
次いで火の「丁」と木の「乙」が上位を占める。
木の属性は、なぜか陰の「乙」にばかり人数が集中。陰と陽の間に大きな偏りがみられました。甲はあまり画家には興味がないのだろうか。
水の属性は陰陽共に、ちょっと変わったジャンルを確立している画家が固まっている印象。個人的には水の画家が一番好み。
金の属性は陰陽共に最も少なかった。どっちかというと金は芸術よりも、現実的なビジネスの方を好む傾向にあるようです。
陰陽の比率は、陰=33人、陽=20人で、「陰」に軍配が上がりました。
結果まとめ
画家の五行は土が多く、陰が多数を占める。
「中央の星」部門
-
玉堂=13人
ゴッホ / モネ / クレー / ムンク / ゴーギャン / バスキア / 草間彌生 / 岡本太郎 / 村上隆 / 山下清 / レンブラント / ミケランジェロ / ロベール・ドローネー -
調舒=6人
ミロ / モンドリアン / 奈良美智 / ボッティチェッリ / ヤン・ファン・エイク / オノサトトシノブ禄存=6人
シャガール / ルノワール / ロバート・マザーウェル / フランク・ステラ / モーリス・ルイス / テオ・ファン・ドゥールスブルフ貫索=6人
ミュシャ / ゴヤ / イヴ・クライン / マネ / オーギュスト・エルバン / 高島野十郎 -
龍高=5人
クリムト / ラッセン / フランツ・クライン / ドガ / ゲルハルト・リヒター -
車騎=4人
ダ・ヴィンチ / ピカソ / ポロック / ヨゼフ・アルバース牽牛=4人
マティス / セザンヌ / ルソー / フェルメール石門=4人
カンディンスキー / ウォーホル / ルドン / ニューマン司禄=4人
ロスコ / ダリ / アドルフ・ゴットリーブ / ドラクロワ -
鳳閣=1人
ミレー
中央の星は習得本能を司る「玉堂」がダントツの1位!他の星と倍以上差をつけての最多数獲得。特に日本人画家が玉堂に多く固まりました。
絵画部門において、真の芸術家の星といえるのは「玉堂」のようですね。
その他の星はだいたいトントンといったところだけど、驚いたのは「鳳閣」!なぜに“表現の星”と呼ばれるはずの鳳閣が、よりによってビリなのか??!!
いっそこのままゼロ人という落ちもアリかと思ったけれど、終盤ついに鳳閣の救いの神、ミレーが降臨。このミレー様がいなければ、鳳閣はゼロ人でした。
ちょっw鳳閣!画家少なすぎ!!いくらユルふわしてたいからって!たしかに画家って鳳閣のキャラじゃないかもしんない。がしかし!!仮にも鳳閣は調舒と並ぶ伝達本能を司る星なのに、最下位ってヤバくないっすか鳳閣w ありのままを伝えたい鳳閣には、絵より写真の方がお好みなのかもしれません。
そして、人脈と財の星である「禄存」が2位というのも予想外。
人とのつながり(パトロンとか)が画家としての成功を左右したであろう昔の画家たちは、コミュ障だと表舞台に出ることさえ難しかったのではなかろうか、と推測。
画家の中央の星ランキングは、「玉堂」「調舒」「龍高」など「精神の星」が上位を占めましたが、中には精神の星が一つもなく、すべて「現実の星」のみで構成された命式もわずかながら存在しました。
例えばダリ。彼は変人キャラで売っていたようですが、本当の彼を知る身近な人たちは「ダリはごくごく普通の人であった」と評しています。現実の星しかない画家でも、他の能力を駆使して(例えば高いセルフプロデュース能力など)注目を集めることが可能であることを、ダリが示してくれたように思います。
アンディー・ウォーホルも現実の星しか持たない画家ですが、彼も銀髪のカツラをトレードマークにしたりと、優れたセルフプロデュース能力を発揮しています。
精神の星が一つもない画家のセルフプロデュース能力は、学ぶところが多い。
結果まとめ
中央の星は「玉堂」がダントツの1位。
⇒画家の世界では「玉堂」が「芸術家の星」といえそう。
2位以降に大きな人数差は見られないが、表現の星である「鳳閣」の少なさは異常。
「十大主星」部門
同じ星を一人で複数個持っていても1カウント。
- 玉堂=26人
禄存=26人 - 石門=24人
- 調舒=23人
- 貫索=22人
- 車騎=20人
- 司禄=18人
- 龍高=17人
牽牛=17人 - 鳳閣=15人
全員の星の合計。
- 玉堂=31個
貫索=31個 - 石門=30個
- 禄存=29個
車騎=29個 - 調舒=28個
- 司禄=26個
- 龍高=24個
- 鳳閣=20個
- 牽牛=17個
<所有人数ランキング>
1つの十大主星に対して何人の所有者がいるか。
1位 玉堂(習得本能)、禄存(魅力本能)
2位 石門(守備本能)
3位 調舒(伝達本能)
命式のどこかに「玉堂」「禄存」を1つ以上持っている人が一番多かった。
最下位はお約束の「鳳閣」。中央の星ではたった1人だったけど、“どの場所でもいいから持ってる人”という条件だと15人ほどいた。
<全員の星の総数ランキング>
1位 玉堂(習得本能)、貫索(守備本能)
2位 石門(守備本能)
3位 禄存(魅力本能)、車騎(攻撃本能)
こちらもやはり「玉堂」が1位。
表現の星である「調舒」の順位は中ほどまで下がり、「鳳閣」は初めて順位を一つ上げた。
最下位の攻撃本能「牽牛」は、所有人数と星の総数が同じことから、一人一個ずつ所有していることが分かります。
これらの結果から、芸術家なら精神の星があるに越したことはないが、実はそれ以上に自我の強さや人脈、行動力などの現実的な要因が、画家としての成功のかなり重要な部分を占めていることが分かります。
結果まとめ
十大主星で所有人数が最も多いのは「玉堂」「禄存」、最も少ないのは「鳳閣」だった。
十大主星の総数で最も多いのは「玉堂」「貫索」、最も少ないのは「牽牛」だった。
「四天運」部門
- 北天運=38人
- 西天運=7人
- 東天運=5人
- 南天運=3人
四天運は芸術家なだけあって、精神分野で能力が発揮される「北天運」の人が圧倒的に多かった。
精神の星(龍高・玉堂・鳳閣・調舒)がどの位置にあるかによって、精神的な世界に才能があるのか、現実的な世界に才能があるのかが分かる。
まとめ
絵画部門における“芸術家の星”は「玉堂」であった。
- 五行では「土」の属性が1位。
「土」の中でも「己」は正統派、「戊」は挑戦的な印象。
「火」の画家は感覚に忠実な感じ。
「木」は陰と陽のギャップがえげつない。
「水」の画家は個性的なキャラがそろっている。
「金」の画家は陰陽共に最も少ない。 - 中央の星は「玉堂」を持つ画家が最も多い。
- 十大主星の“所有率”は「玉堂」「禄存」が1位、
十大主星の“総数”では「玉堂」「貫索」が1位。 - 四天運は精神的世界に才能をもつ「北天運」が圧倒的に多かった。
日本画や具象画の画家をもっと調べてみれば、また違う傾向が見られるのかもしれない。
次のページに今回調べた画家の命式一覧を載せたので、興味のある方はご参照ください。